「掛川の隠れた名城、、、横須賀城。ちょっとマニアック」
●戦国期に横須賀氏が治めていたそう大きくはない領地にあった城である。武田軍と徳川軍の前哨戦拠点の色合いが強い。江戸時代は前半は目まぐるしく領主が変わったが、後半は7代に渡り、2〜3万石で西尾氏が明治まで領地した。
現在の城跡は住宅街に囲まれていたり雑種地と隣接して、一見、忘れ去られた城跡に見えなくはないが、掛川市の3名城として、丁寧な現状保護や史跡解説がなされている。
ただマニア的ではあるが、江戸時代、すでに戦にための城ではなく、経済や行政に中心としての役目とすると、大変理にかなった城である。
平城の範疇になるが縄張り横には天竜川の支流が流れ、城下と城外からの物流用路をなし、それを城が管理できるように機能的な構造となっているからだ。
城跡は石垣に特色を残しながら全体の縄張り模型が史跡の概要を示してくれて、わかりやすい。往時の姿はこじんまりとしながらも、中々味わい深い縄張りであることが読み取れる。2〜3万石の小藩だったが、存在感は名君も輩出したことで示されている。
●大きな特色は石垣にある。平城で成長の役目のため高低差は少ない。つまり石垣は高くないが、その石垣にしこそ全国でこの横須賀城のみとも言えるのだ。物流路の天竜川が近いことで、その川の石を築城に用いた点である。
写真をよく見ていただくとまんまるい石が丁寧に重ねてできた石垣だとわかるはず。逆にこんな丸い石垣でよく崩れなかったなぁと驚くのだ。
地位の市民の方には散策コースだが、城好きにはまたなんとも味わいがある城跡。関心があれば車ではすんなりいきやすく、1時間以内で一通り回れる。高低差緩いが、椅子は無理が残念だが。とにかく往時を偲ぶよすががいたるところにある。是非、一度立ち寄りいただきたい。合掌