●児童福祉施設ってご存じだろうか?
家庭の事情や自らから障碍を持つことで、家庭や親族を離れて共同生活をする施設=公設・私設を含めて京都府には10施設ある。その連絡協議会が47回目を迎える「児童文化の集い」が、10月29日(土曜)に各施設持ち回りの分担で亀岡市内で開催された。
会場は「ガレリアかめおか・コンベンションホール」。京都府彼の10施設=規模や園生の区分はあるが、発表会にふさわしいホールで驚いた。亀岡市は北京都エリアの中核都市なので、箱もの行政といっては語弊があるが規模の大きな公共施設が多い。園生たちの発表も気合が入る施設だなぁと感心しきり。お手伝い仲間のTさんは、ここで植樹祭❓が開かれたときに、皇太子殿下と眼前に接する機会があって印象深いところだと教えてくれた。
●青葉学園生、ホール内全体を包むような頑張りで!
ホール内では、ステー演技以外には、日常生活の紹介や、絵画、書の展示もあり、初めての来客者にもよくわかる紹介がされていた。
私がささやかな応援に行っている亀岡市内の青葉学園さんの出番は最後。得意のダンスパフォーマンスは、普段、苦手意識のある園生がメインステージで。得意な人や江口理事長が脇を固めるという配置で頑張っていた。正直、前のパフォーマンスの和太鼓のレベルが相当だったので、迫力負けは否めない。ただ園生がホール内の観客を包むように客席を囲んでのラスト演技は、温かく明るい感じで良かったかと。
●通学タイプの通信教育生との違い。
10月から広域制通信教育高校へ授業に。家庭学習以外に週3〜4日程度通学してくる生徒もいる学校。私の担当の美術(=書道と半分、担当の先生がいる)に比重を置いて、いい意味で文化的・素養的な成長を見れるが、悪く言うと息抜き科目コース。初めて授業に出て想像以上にだらしない!!学力ハンディを自から醸し出す体たらくさに情けなく思った・・・こういう生徒を教えるというような感傷ではなく、「なぜ自分から”できません”レッテルを貼りだすのか?!」という情けなさである。
曲がりなりにも私学へ通う授業料、少なくとも片親との生活がありながら、不勉強とか日々の生活習慣の怠惰さという甘えが痛い。
児童福祉施設の子供らは親から離れた状況で入園して、高校卒業まで過ごす子が大半。然し園の先生方や職員の方、学校の先生の努力もあって、知らない人が想像するよりはるかに、きちんと団体生活ができ、下の子の面倒もよく見れる子が多い。つまり自身のレッテルはまともな貼り方をしている。
●約45000人と約80000人、さぁ社会がどう見るか?
児童福祉施設生が全国で約45000人、高校へ行けないという状況が約80000人。無論、後者は経済的理由やDVなど家庭の問題よりは自身の問題も多いのだが。また実数は少ないが、社会的には無関心に近い「教育困難校と呼ばれるランクの一番面倒な小・中・高生も数万人いる」のも現実。差別言葉で”教育格差=落伍生”とも呼ばれる。
「教育は国家百年の大計」といわれて世界に冠たる日本の教育思想。然し少子化が激しい中にも、教育格差は確実に割合を増やしている。困ったものであるが、それでも現場をあきらめない教員や先生は多くいる。彼らへの応援は社会が見つめる視線である。青葉学園さんは優れた資質の理事長の力にもよるが、過去には有名な芸能人の協力もあり、現在は市井にある経営者や幹部の人が様々に応援活動にかかわる。そのため園生が職員や先生以外に、”きちんとした大人”、”信頼できそうな大人”を肌で知って、成長していっているから素晴らしいと思える。
さぁ来年3月まで、週2回の授業は、どういう化学反応を起こせるか?「通学生よ、どうせ通うなら、仕方なく入学した学校ではなく、自身を変えるための学校と、再認識してくれ!!卒業して家族を得て、やがて子供に誇れる学校かどうかは、君たち自身に今の姿勢にかかっている!!合掌