STATE | ENTRY | <<new | 1 / 1pages | old>> |
|
スポンサーサイト
|
|
近くて遠い、丹波の國
兵庫県と京都府を水平に繋ぐ山間部が丹波地域であり、中心の大きな盆地が篠山である。鉄道路は京都駅、大阪駅、姫路駅とアクセスでき、言わずと道路は縦横にルートがある。神戸からでも1時間程度と案外近いが、機会がないと縁遠いところでもある。 「 丹波篠山城址の大書院 」は鄙びた中にも威厳が漂っていた。 江戸初期、大坂城に豊臣家が残っていたため家康が天下普請として築城したのが丹波篠山城である。天守閣こそ作らなかったが、築城の名手:藤堂高虎らが指揮しての篠山城は近代戦に強い縄張りと規模であり、大坂方の押さえの拠点として十分な構えである。 現在の遺構は、昭和19年に焼失した大書院を再興したものである。本丸自体はしっかり残っているので、城ファンとしては大書院よりも櫓や門では?と思ってしまうが、この大書院は資料を綿密に調べての再興だけに秀逸である。時代劇の撮影に使われることも多いとか・・・納得である。 また地元の方もなぜか、対応がのんびりと温かい。消失するまでは市民行事で、江戸時代のまま使用されていたという、いわば市民生活に根差した遺構だった。温かいもてなし感も、身近な存在ならではの思い入れかと感じた次第。 「 兵庫陶芸美術館 」いつかはと思っていたらタイミングがあった。 800年の歴史を持つといわれる丹波焼の産地。一時期の退で30軒ほどにった窯元が、現在は旧街道沿い:現国道に50数軒が腕を競う一大産地として復活。この産地のシンボルとして建設されたのが、以前から行きたかったこの施設である。地場振興と研修や展示用としての複合施設。威容を誇る施設も周囲ののどかな山間風景とマッチし、いい雰囲気である。 滋賀の信楽の里にも「世界陶芸博覧会」に合わせて立派な陶芸美術館があるが、丹波の地での美術館も秀逸である。予定なしながら青磁の作品の古典・伝統系からモダン・先端作品まで、作家とともに紹介していた。青磁の美しさは、今更であるが、時系列で会場が2階=1階=地下1階の3部構成になって分かりやすかった。元々は生活雑器の役物が原点だっただろうが、作家にも門戸を開くことで陶芸アートの里として活動領域を広げているようだ。 たまたま我が家:父親世代は長男の父が実家を守り、長女である叔母が若くして神戸へ。祖の叔母も93歳でそれを四国香川の91歳と88歳が見舞おうというのだから大変である。自身の誕生日に当たるので、3年間で初めて有休を取り、姫路城のグランドオープンに。城好きの孫に釣られて、丹波篠山城、福知山城と・・・それでも歩くことが苦にならない父に驚きである。孫の存在は強し!! 年度末でトラブルが多く、折れそうな日々だったが、花見もあきらめていながら丹波の半日は、滋養となった。純粋に造形美で眺められる陶芸の味わいは奥深い。花見すらあきらめていただけに、またとない半日となった。ただし最後は事故が多発し、大変な渋滞に巻き込まれて散々だったが。 合掌 |