• 2020.02.08 Saturday
  • スポンサードリンク
  • -
  • -
  • -
  • pookmark
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

福島原発事故について考える

東日本大震災で大きな被害を受けた福島の原発は未だに先行きが見えない状況が続いている。発信される情報も専門用語が多くて分かりにくい上に、どっちともとれるような曖昧な言い方もあったり、何とも釈然としない。正直言って、西日本に住んでいる者にとってはどこか他人事のように思えてしまうのだが、これは決して対岸の火事ではない。

とにかく今は、事態を収束させることが最優先だけれども、日本人として「果たして原発は必要か」の論議を避けて通るわけにはいかない。日本においての原発問題の特徴は複雑な政治問題が絡んでくることらしい。設置に当たって動かされる莫大なお金と利権。安全か安全でないか、必要か必要でないか、の論議はいつの間にか権力闘争にすり替えられ、基本的な論議は置き去りにされる。福島で立ち退きを余儀なくされている避難民の人たちはついこの前まで同情される被害者だったはずだ。しかし、一部の避難民が傲慢な態度を取ったがために世論はあっというまに彼らに批判の目を向ける。「今まで甘い汁を吸っていたくせに何だ」原発誘致を進めた地元政治家には「推進しておいて今さら何を言うか」といったバッシングが浴びせられる。これをとっても原発問題がいかに難しいかがよく分かる。


先般日経MJを読んでいると、これを機に日本人のライフスタイルを見直すべき、との意見が載せられていた。24時間いつでも買い物ができたり、エアコンをフル稼働させて常時適温で過ごせる環境などをもう一度見直せ、というのだ。確かに一昔前は24時間営業の店などほとんど無かった。それが今ではスーパーでも、深夜営業をしていなかったりすると「このご時世、本気で商売する気があるのか」などと思われてしまう。MJの記事は、当面不便を感じるかも知れないが、日本人はもともと適応能力が高いからすぐに慣れるに違いない、と結ばれている。

日本の電気の30%近くは原子力発電らしい。それが無くなると、単純に3日に1日はまったく電気を使わない生活をしなければならない訳だ。一個人なら何とかなりそうだけれど、社会全体としてはそれはほとんど不可能に近い。簡単に原発不要論を唱えることができないのも仕方の無いところだ。


故忌野清志郎さんが率いたロックバンド、RCサクセションが1998年にリリースしたアルバム「COVERS」。全曲、往年の洋楽ヒット曲に日本語歌詞を付けたナンバーで構成された、文字通りカバーアルバムである。しかし、その中に2曲、原発批判の歌詞があったことが問題となった。当時RCサクセションが在籍していたレコード会社は東芝EMI。その親会社である東芝は原子炉の製作も手がけており、そこからの猛烈な圧力で「COVERS」は発売中止になってしまう。しかしこれに屈しない忌野さんはかつて在籍したキティレコードからの発売を決め、アルバムはRCサクセションとしては初のオリコン1位を獲得した。

問題となった2曲の中の1曲「サマータイムブルース」にこんなセリフがある。

〜何でもかんでも縮めてしまうのは日本人の悪い癖です。原発(ゲンパツ)ではなく、きちんと「原子力発電所」と呼びましょう〜

1945年、広島と長崎において数十万人の命を奪い、66年後の今もその後遺症に多くの人が苦しめられている原子力爆弾。細かな構造の違いはさておき、いずれも同じ原子力によって稼働するものであることは間違いない。かつて日本全土を恐怖に陥れた原子力爆弾。二度と繰り返してはいけない悲劇のはずが、それと同じものが今現在、我々のすぐ身近にある。忌野さんが訴えたかったことはそれだ。

今回の地震による原発事故。壊滅的な被害を受けた農業、漁業関係者にとっては死の宣告にも等しい打撃だろうし、今後の展開次第では最悪の事態も十分考えられる。今回、政府から停止の要請が出された浜岡原発は識者の予想によると東海地震において壊滅事故を起こした場合、24万人以上の人が死亡、しかも数百年に渡って人が住むことができなくなるという。かつての広島・長崎の悲劇をはるかに凌駕する事態になってしまうらしい。


世界的に高名な物理学者ホーキング博士がとある学会でこんな質問に答えた。「この宇宙に地球人以外の知的生命体が存在するか?」博士の答えは「もちろん、存在する。」続けて質問「では彼らが地球へ侵略にやって来る可能性は?」博士「それは無い。」

何故か?その理由は実に示唆に富んでいる。惑星間を行き来できるような高度な技術を作り出せる知的生命体は、惑星間を行き来できるようになる前にその技術力で自らを滅ぼしてしまう、ということらしい。例えば我々人類だって数十年後、数百年後には他の知的生命体が住む星へ行けるようになるかも知れない。しかしその前にまず地球が、というより人類が滅ぶ方が先でしょ、ということだ。それは当然ながら、人類が生み出した技術のせいだ。核かも知れないし、環境破壊による災害かも知れない。人類が他の惑星に行けるようになることと、人類が滅ぶこと、どちらが先か?と聞かれれば、まずほとんどの人が人類が滅ぶ方が先、と答えるに違いない。高度な技術を開発すれば、まずそれが悪事に利用される、その技術を巡ってお互いが傷つけ合う、あるいは技術のもたらす快適さに溺れ、麻薬のように自らが滅ぶ道を選んでしまう。それが知的生命体の宿命と言われれば、ホーキング博士の言い分も何となく理解できる。


原子力専門委員の青山繁晴氏という方が昨日の13日の参院予算委員会で「今回の事故は全てとは言わないが多くのものが人災だ」と発言されたらしい。人を快適にするのも、人を苦しめるものやはり人なのだ。さらに今朝のニュース、事故の復旧作業に携わっていた作業員の方が1名亡くなられたという。被爆が原因かどうかはまだ不明のようだが、とうとう死者が出てしまった。例え過労が原因であったとしても死亡は死亡だ。

知的生命体であるはずの我々人類。知的って何だろうと改めて思わされる。かの哲学者ソクラテスが唱えた「知徳合一」の考え方。知は徳でコントロールされてこそ「真の知」となる。「徳」の無い「知」の暴走はいつだって諸刃の剣だ。

そういえばソクラテスの孫弟子になたるディオゲネスはこんな言葉を残している。

「何もしないことこそが真の平和だ。」

まあ、あまり極端なことを言われてもねえ。ま、知も徳も無い立場の自分としては、とりあえず今夏はせっせと節電に努めるぞっと。


  • 2020.02.08 Saturday
  • 14:37
  • スポンサードリンク
  • -
  • -
  • -
  • pookmark
スポンサーサイト
Comment:
Add a comment:









Trackback:
トラックバック機能は終了しました。
ENTRY(latest 5)
ARCHIVES
CATEGORY
COMMENT
TRACKBACK
CALENDAR
SMTWTFS
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031     
<< August 2020 >>
MOBILE
qrcode
PROFILE
LINK
SPONSORED LINKS
無料ブログ作成サービス JUGEM

(C) 2020 ブログ JUGEM Some Rights Reserved.